言志四録―座右版



言志四録―座右版
言志四録―座右版

ジャンル:自己啓発,能力開発,意識改革,自己改革,学習
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良訳でわかりやすい、まさに座右の書。

 アントニヌスの『自省録』、モンテーニュの『エセー』とともに、年齢を重ねながら、何度でも繰り返し読みたい本が、この『言志録』。武士道などという大看板を掲げたりすることもなく、ただ心を誠に尽くすことのみに主眼をおいて、日常のこと、世間のこと、学問のことを採り上げて平易にあるべき徳の姿を語る。
 原本は漢文。この本には、訳と書き下しだけで、原文はない。(この意味では、岩波文庫も、やはり持っていた方がよい。しかし、この書に関し、『論語』のように書き下し法にもめるところはない。)この本の特徴は、久須本文雄の現代語訳が、まさに原文の趣旨を踏まえ、きわめて平易で、わかりやすく、ムダがないこと。注も的確。衒学的な漢学者などより、禅師として、語ることのツボを押さえている。
 とはいえ、もとの話の背景に、当時の儒学における朱子学と陽明学の対立があるので、『近思録』や『伝習録』のあらましについて知っていることは必須。四書についての教養は言うまでもあるまい。逆に言えば、世の体裁に惹かれ、四書も学ばず、この書に飛びつくのは、無謀であり、また、むしろ恥だろう。ゆっくり四書を読んでからでも、この本は逃げはしない。
処世訓に人生観を深める

 単なる語釈・口語訳だけではなく、言わんとする意図の解明まで訳注者が懇切にしてくれている。その実例をいくつか挙げてみたい。
「和と介」…「和」=やわらぐ。和順。「介」=かたし(堅)。 「和順」の精神は尊重すべきであるが、他面、自分の立場を固守し自分の信念を堅持するということもなければならない。処世には和と介の両面が必要といえる。
「寛事は早く、急事は徐に」…「寛事」=ゆっくりしてよいこと。「徐」=おもむろ、ゆっくり。 寛事は手早く、急事は徐々にすべきであるとしている。小早川隆景が「急ぐから、ゆっくり書け」と書記に命じたことは銘記すべきことである。「急いては事を仕損じる」とも言われる。
「勝って驕らず、負けて挫けず」…諺にも「勝って甲の緒をしめよ」あるいは「臥薪嘗胆」がある。勝っても慢心を起こさず、負けても挫折しない心持を常に涵養しておくことが肝要である。
 本書には実にたくさんの処世訓・名言が集められ、佐藤一斎の思慮に富んだ言葉で充実していて、それを訳注者が更に丁寧に説明していて、じっくり読み進めるならば、人生観が深まってくるはずである。 
  
とってもいい本です。

 この本を買おうとしている人に対して、言志四録について説明する必要は無いと思います。抄本ではなく、全文をじっくり読みたいと思っている人にはとてもいい本だと思います。
 ほんの分厚さはなかなかのものですが、座右の書として読んだりするのにはいいと思います。私はリビングにおいているのですが、ちょくちょく本棚から出してきては読んでいます。一冊もっていていい本だと思います。
ページめくるのだるい

文庫版のように訳者の意味不明の注釈がないのはよいが、分厚いので、ページをめくるのがだるい。



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