初めて人を殺す―老日本兵の戦争論 (岩波現代文庫)



初めて人を殺す―老日本兵の戦争論 (岩波現代文庫)
初めて人を殺す―老日本兵の戦争論 (岩波現代文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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戦争感が変わる

一つ星のレビューを書いている馬鹿がいるが、買う前に確かめて買えばよい。
非戦を願うでもなく、まるでほろ酔いのような、あるいは霞がかかったような、中国
戦線についての筆者の追憶を述べたものである。ここの表されているのは素朴さだ。
ただ普通の老人の押し付けがましさもない語り、だからこそこの本に読ませられてしまう。
兵士達にはそれぞれに戦前、戦中、そして戦後があった。しかしながら、これはもう
人の資質によると考えるしかないのかもしれないが、忘れられない戦争体験を有しており
、しかも誰にもそれらをいうことなく年を重ねた老兵がいる。
もう亡くなった戦友に心の中で語りかけながら、戦闘行為に限らず中国で出会った出来事
をぽつりぽつりと話し始める。楽しい行為も多くあり、彼はその時代にまさしく生きていた
、青春を送っていたその時代に生きた人間なのだということが、と我々に伝わってくる。
ある忘れられない事項に、ふらふらと語りが焦点してゆく。それが余りに自然なことに
この本の最大限の価値がある。
私は10人以上の友人知人にこの本を薦めたが、ほとんどの人は、考えが変わる衝撃を受けた
、といっている。冒頭で述べた馬鹿は、感受性もないのだろう。こういう本がたくさんある
?では挙げてみろ。答えはこの本以外にない。ろくでもない友人に囲まれているのだろう。
本書は必読だし、戦争で心が壊れて・民主と愛国の2冊と共に、この3年間のベストだ。
本当の戦争を見つめ、戦死者を鎮魂するための貴重な本

体験に基づき戦争の悲惨さを訴えつつ「隣り合わせの喜劇」を描き笑いを誘う本。日本軍による中国兵捕虜虐殺の組織的実施、古参兵の「いじめ」で初年兵が大勢自殺したことなどが解る。捕虜虐殺を楽しんだ人と、後悔し苦しんだ人がいるようだが、その差は「相手の(人間としての)顔を見てしまったp.58」ことにあるのでは。侵略戦争荷担を率直に反省しながら、8月15日に靖国神社へ集う人々に親近感を抱く筆者に私も共感する。「本当の戦争の話をすること」が真の鎮魂である(内田樹著:前述p.105)。「戦争は愉しい面もあった、だから戦争について皆しっかり考えないと日本は叉同じ道を辿りかねない」という著者の主張は重要。
カルチュラル本

 日本の学問の世界、特に歴史学が統計や記述でなく、聞き書きだけで動くようになって久しいが、その典型的な依拠先となる書物。
 個人の記述としての体験は興味深いが、それが普遍化されるシステムがよくわかる。
 昭和30年代からこのような本は続けざまに出版され、「世界」にも何度も掲載されており、その異同を調べる上では興味深いか。
シンプル and ディープ

「反戦平和運動の活動家みたいな顔をしたいため」ではなく、
「中国に乗り込んでいった一人の無名戦士に問いかけるため」
という目的で書かれた本。

非常にシンプルで明瞭な文章と文章構成であり、
日常的目線で綴られているが、やはり内容が内容なだけに、
読者がそれぞれ受け止めるものは、心の底深くにもぐりこむであろう。

「俺が侵略戦争だと考えたからといって、決してお前たち(戦死者)を
冒涜したことにはならないよね」
という言葉は、
戦争を経験した者でなければ、簡単に言えることはできない。

また、慰安婦についての率直な意見が興味深い。
元兵士の視点として、大いに注目すべきところであろう。
「自由主義史観」者は絶対読まないだろうね!

 学的誠実さを欠く「自由主義史観」=「新しい歴史教科書を作る会」の連中は、「ああ岩波ね!」と絶対峻拒すること間違いない!
このような地道な兵士、一般兵士の視点からは、小林よしのりらは《戦争》を見る事無く、軍事幕僚の立場から、軍事作戦称賛の「プロパガンダ」をいまだに送り続けている。
 恐るべし「自由主義史観」というネオファシズム。



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